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シベリアにおける急速な鍾乳石の成長

筆者: デービッド・ルイス ()
訳者:クリエーション・リサーチ・ジャパン (sozoron.org)

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時計の隣にある鍾乳石の一部に幅の広い年輪が見られる

シベリア南部にある地質標本館をナターリャ・ポリーナさんが案内してくれ、こう説明してくれました。「これは鍾乳石の横断面です。年輪は、毎年どれだけ成長したかを教えてくれます」1。1年で1cm以上の成長を見せている非常に幅の広い年輪に私は興味を引かれました(下の写真を参照)。

「年輪は何によってできるのですか。」とナターリャに尋ねてみました。 「表層水が洞窟にもたらす土は、夏と冬とでは変化します。」と彼女は答えてくれました。「夏には土の量が多くなるので、色の濃い年輪が体積されます。一方、冬には表面が氷と雪に覆われているため、体積物がもっときれいなのです。」

ある地質学に関するインターネットのサイトでも同様の解釈がされています。

「古気候学者は、鍾乳石と石筍の成長率を分析し、過去の降雨パターンを解析します。それによって作成されたグラフは、カールズバッド・キャバーンズ(巨大な鍾乳洞)にある石筍の、過去450年間にわたるほぼ毎年の年輪の幅を示しています。幅の広い年輪は比較的湿潤な気候、幅の狭い年輪は乾燥気候を示唆しています」2

そのグラフは0から0.3 mmまで0.1 mmごとに目盛りがつけられています。比較してみると、シベリアの年輪は幅が15 mmあり、カールズバッドにある最も幅の広い年輪よりも、50倍幅が広いことになります。それはカールズバッド・キャバーンズが、たとえ降水量の多い年でさえも降雨の少ない場所である、ニューメキシコ砂漠に位置しているからです。けれどもナターリャ・ポリーナが見せてくれた鍾乳石は、夏の雨量がもっと多いシベリア南西部アルタイ山脈から採られたものでした。

大きくなる矛盾点

シベリアで見聞きしたことは、鍾乳石は長い歳月をかけ、ゆっくり成長するという従来の考えと相反しています。

たとえば、あるイギリスの放送協会の教育番組ではこのように述べられています。

「鍾乳石(天井からの)は多くの連続した成長層から構成されています。… . 水滴は、天井からぶら下がっている間に、二酸化炭素をいくらか失い、酸性度が低くなります。水滴は、上の亀裂を通し、その途中で獲得した溶解したすべての鉱物を留めることができなくなります。水滴は鉱物方解石の結晶をいくらか残していくことになり、そして鍾乳石が成長し始めるのです。何百年、何千年と水滴が落ち続け、大きな鍾乳石が出来上がるわけです!」3

洞窟生成物(洞窟における鉱物の形成)に関する専門家がこのように述べています。

「洞窟生成物において、3cm程の材料を付け加えるためには、100〜150年が必要とされるかもしれません。」4

他の研究では、鍾乳石の最大成長率は1年でミリ単位であると主張しています5

創造論者の主張を退けようとする懐疑論者が次のように記しています。「鍾乳石に関しては、全国洞窟学会紀要(37: p.21, 1975)で、その観察された成長率は1,000年に0.1-10cmであると発表されています。 例外的に急激な成長が起こり、短期的に高い成長率を上回ることがあったとしても、ラスベガスでポーカーの連勝を続けることが難しいのと同じように、そのようなことが起こり続けることは不可能でした。 ムーアとサリバン(1978, p. 47)は 上部平均率として1年に0.1 mmより「僅か上なだけ」(1000年で10 cm)としています6。」

洞窟形成がそのようにゆっくりとした成長率であるなら、鍾乳石は想像を絶するほどの太古からのものに違いありません。けれどもシベリアの鍾乳石は、かなり急激な成長も可能なのだということを示してくれています。

さらに、シベリアの方が、洪水後に北半球の大部分が氷河に覆われていた氷河期の気候をより良く反映しています。氷河に覆われているかのような状況の下で、鍾乳石は急激に形成されます。つまり最近の成長率に基づいて考えるほどには、「古い」ものではないという意味です。

降雨と干ばつ

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北半球に氷河が広がっていた時代には、「比較的暖かい」時代と「比較的寒い」時代が両方あったということが、一般的に受け入れられています。けれどもそのような時代の長さに関しては意見の分かれるところです。ヨーロッパと北米の気候は、ある程度、現在のシベリアの気候と似通っていました。

シベリアは一年を通して寒い地であると一般的には思いこまれています。確かにシベリアの冬は長く、凍りついたものですが、一方、短いながら暑い夏もあります。毎年、大半の地域(山頂は除いて)で表面の氷が溶けます。夏に氷が溶けると、山の氷河から小川が流れだします。春の解氷によってしばしば地域的な洪水が引き起こされます。洪水の水は最終的には北極海に流れ着きますが、その多くは地面に吸収されます。

地下に鍾乳石のある鍾乳洞があったらどうなるでしょうか。ホリー・リービークのウェブサイトに掲載されている古気候学に関する記事では、鍾乳石(または他の洞窟生成物)の成長量は、「地下水がどれだけ洞窟内に滴り落ちているのかを示す指標です。成長が少なければ干ばつを示唆し、また急激な成長が見られたなら豪雨があったことを示していると考えられます。」と述べています。

シベリアに似通った気候においては、この明らかな「干ばつ」と「豪雨」の入れ替わりは、洞窟に流れ込む水に関する限りでは季節的な変化を反映することになります7。冬に、地面が氷で覆われている時、地下では「干ばつ」になっています。けれども冬の終わりに氷と雪が溶け始めると、おそらく溶けるには数週間はかかるでしょうが、洞窟では絶えず「雨が降っている」状態になります。厚く積もった雪と氷はほとんど不純物を含まず、比較的にきれいです。

完全に成長が止まったのか?

古い地球(Old earth, OE)の地質学者は、鍾乳石内の層が成長するのにどうしてそれだけの長い期間がかかったのか説明することに対してジレンマを抱えています。期間を引き延ばすために、その層は成長が完全に止まった時を示しているのだと説明しています。

ホリー・リービークはこう説明しています。「洞窟生成物の成長が止まると、外側が汚くなり、腐食する場所も現れ、さえない外観になってしまいます。成長している洞窟生成物の見た目は滑らかで、潤っています。」

けれども、もし層が長期間にわたる成長のない時期を意味しているのであるなら、新しい層はそれぞれ長い停止期間の後にだけ追加されたことになります。あるケースでは、それは何千年にも及ぶことになるかもしれません。エミール・シルベスツル(洞窟形成に関する専門家)は、それは「石筍の先端の部分の全く同じ場所に、ミリ単位の狂いもなく水滴が再び落ち始める」ことを意味していると指摘しています。

彼はこうも続けています。

「そのような説明は常識に昼寝をしていてくれと言っているようなものです。綿密な調査により、地表から水の滴り落ちる石筍の先端までは長く、曲がりくねっており、ほんの少しの変化に対しても極めて敏感であることが示されています(化学も関わっていることを覚えておいてください)。その上に、大量の現場データによって、カーツランドの地表は、ほんの数世紀で劇的、かつ急速な変化を遂げることが明らかにされています。」8

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シベリアはいつも寒いと思い込まれている

ナターリャ・ポリーナが、シベリアのアルタイ地域の鍾乳石の年輪は年数(世紀ではなく)を表しているのだと説明してくれた時、エミール・シルベスツルのコメントを思い出しました。それでナターリャの言っていたことが理解できました。

ナターリャは鍾乳石の撮影を許可してくれました(写真を参照)。私の腕時計を尺度の参考にして見ると、左側のサンプルに見られる幅の広い年輪は、1.5 cmもの幅があり、1年間の成長率としては驚くべきものです。

鍾乳石は年月の浅いものである

それほどの遠い昔ではない頃のヨーロッパや北半球の気候は、現在のシベリアの気候とそれほどの違いはありませんでした。そのためヨーロッパの鍾乳石の年代を、ネバダ砂漠ではなく、シベリアの鍾乳石の成長率で判断することの方が理に適っているのです。鍾乳石はシベリアの環境の下では、急速に成長します。ですから「氷河期」のヨーロッパと北アメリカでも急速に成長したことでしょう。鍾乳石、そして鍾乳石によって飾り付けられている洞窟の年代は、実際には僅か二、三千年にしか過ぎないかもしれません。そしてそれはノアの洪水後に過ぎ去った年代とも一致しています。

筆者

著者のDavid Lewis博士は社会人類学者で、イギリスやアジアのいくつかの大学で、教鞭を執っておられます。

参照文献と注釈

  1. 私が見た標本はアルタイ共和国(ロシア連邦)ゴルノ−アルタイスクの近郊にあるマイマの居住地にある岩石博物館で展示されています。 本文に戻る.
  2. Riebeek, H., Paleoclimatology: written in the Earth, earthobservatory.nasa.gov/Study/Paleoclimatology_Speleothems, 7 June 2006. 本文に戻る.
  3. Underground features of a limestone landscape www.bbc.co.uk/scotland/education/int/geog/limestone/underground/underground_print.html, 7 June 2006. 本文に戻る.
  4. Chadick, D., Cave Formations, www.scsc.k12.ar.us/ChadickD/cave_formations.htm, 7 June 2006. 本文に戻る.
  5. Short, M.B. et al., The platonic ideal of stalactite growth www.physics.arizona.edu/~gold/stalactite.pdf, 7 June 2006. 本文に戻る.
  6. Matson, D.E., Young-earth “proof” number 22: The largest stalactites and flowstones could have formed in about 4,400 years, www.infidels.org/library/modern/dave_matson/young-earth/specific_arguments/stalactites.html, 7 June 2006. 本文に戻る.
  7. 洞窟は永久凍土層では形成されないために、この内容において、永久凍土層は問題となりません。ともかく、永久凍土層は地下の地形における不変特徴というよりは、むしろ多くの場合、比較的限られた範囲内で発生しています。 本文に戻る.
  8. Silvestru, E., Caves for all seasons, Creation 25(3):44–49, 2003; creation.com/all-seasons. 本文に戻る.